日本でも、公共交通機関や建築物のバリアフリー化を目指す「バリアフリー新法」が、2006年に施行されました。そして、この運きが広がる過程で、障害のある人にとって優しい社会=多くの人にとって優しい社会、ということがわかってきました。ケガをして松葉づえになったり、妊娠しておなかが大きくなったり、お年寄りになって体力が弱まったりした人にとっても、日常生活が送りやすくなるのです。

 日本では20年に東京パラリンピックが開かれますね。世界中から社会の「障害」と向き合う人々がやってきます。まだ、ぼくたちの町の至るところに存在する「バリア」を、少しずつ取り除いていきたいですね。(ジャーナリスト・堀潤)

※最近では、テレビの報道や自治体のホームページなどでは「障害者」を「障がい者」と表記するケースが多い。

■オリンピックだけじゃないスポーツの祭典

<パラリンピック>
3大会連続で冬季パラリンピックに出場したスキー・アルペン競技の三澤拓選手に取材をしたときのこと。左右の体重移動でバランスをとりながら、目にも留まらぬ速さで滑り降りていく姿に圧倒されました。「堀さん、すごいでしょ? 障害があるから弱いなんて思わず、アスリートとしてカッコイイなと見てもらいたいんです」と三澤さん。障害があるから弱い人、そんなイメージを変えていきたいというのです。

<スペシャルオリンピックス>
4年に1度、知的障害のある人が参加する「スペシャルオリンピックス」世界大会も行われています。1968年にアメリカでスタートし、2015年夏季大会には、世界約170カ国・地域のアスリートとボランティアが参加しました。

※月刊ジュニアエラ 2016年12月号より

ジュニアエラ 2016年 12 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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