木星の衛星エウロパの表面から、水蒸気らしきものが噴き出しているところを観測した、とアメリカ航空宇宙局(NASA)が9月26日に発表した。内部に液体の水があれば、生命が存在する可能性も高まる。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、解説を紹介しよう。

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 木星にはたくさんの衛星がある。エウロパは、内側から6番目を回っている大きな衛星だ。直径約3120キロメートルで、地球の衛星である月よりは少し小さい。表面は氷でおおわれ、その下には液体の水をたたえた海があると考えられている。

 NASAは、2013年から「ハッブル宇宙望遠鏡」を使って10回の観測を行い、そのうち3回、南極付近から水蒸気らしきものが勢いよく噴き出しているところを確認した。噴出は最大で約200キロメートルの高さまで達しているという。今回の観測で、エウロパの内部に海が存在する可能性が高まった。

「エウロパには生命がいるかも!」という期待もふくらんだ。生命の存在に重要な条件は、液体の水が存在すること。水は、気体(水蒸気)でも固体(氷)でもダメで、液体の、流れる水でなくてはならない。液体の水にはいろいろな物質が溶けるので、それが化学反応を起こして別の物質に変わることが生命の誕生につながると考えられるからだ。

■土星の衛星エンケラドスにも海?

 前にも同じような発表があったのでは?と思った人がいるかもしれない。土星の衛星エンケラドスの表面からも水蒸気が噴き出していることが、土星探査機カッシーニにより観測されている。その観測データから、地球の深海底にある熱水噴出孔(※1)の熱水に含まれるナノシリカ(主に二酸化ケイ素の微粒子)という物質があることがわかった。熱水噴出孔付近には、地球内部から供給される硫化水素などをエネルギーにして生きる微生物や、それを食べる生物が集まっている。エンケラドスの海に、同じような環境があるかも?というわけだ。

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AERA dot.編集部
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