とはいえ、土日の練習や対外試合はなくならないだろう。中学生の部活加入率は運動部が6割以上。部活に打ち込む姿を誰も否定はしない。ただ、「部活漬け」でも構わないかは議論すべきだ。
トップ選手が「自分はスポーツしかしてこなかった」と口にすることがある。それはひたむきさの半面、スポーツ以外の経験が足りないことへの疑問を感じさせる言葉でもある。
近年は、顧問がこまごま指導し、生徒がそれに従うだけではなく、生徒が話し合って練習メニューや試合メンバーを決める自主的な運動部も出てきている。勝利を目指すのではなく、体を動かす楽しさを重視する運動部も生まれている。
休養日が増えたら、特定のスポーツや文化活動以外にも関心を持ったり、部活以外の友人と過ごしたりすることも増えるだろう。それが将来のためになる、と考えてほしい。(解説/朝日新聞編集委員・中小路徹)
【キーワード:中学生の部活加入率】
日本中学校体育連盟によると、2015年度、全国の中学生の主要19競技の運動部の加入率は63.4%。競技別にみると、男子はサッカー、女子はソフトテニスがそれぞれ1位だった。文化部は、国立青少年教育振興機構が13年に全国の公立中の2年生約4500人を対象に調べ、20.5%が所属していることがわかった。
■朝日新聞デジタルの読者アンケート
<今の中学校の部活の活動時間は>
とても長い 1566回答
やや長い 650
ちょうどよい 343
やや短い 98
とても短い 43
<1週間のうち、望ましい部活動の日数は>
7日 38回答
6日 259
5日 770
4日 529
3日 730
2日 195
1日 179
(2016年4月22日~5月9日。計2700回答)から
※月刊ジュニアエラ 2016年11月号より