また、最近の世界のスポーツ界では、「ビッグデータ分析」が勝利への鍵となっているが、陸上男子4×100mリレーも例外ではなかった。

 山縣亮太選手、飯塚翔太選手、桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手の4人は見事なバトンパスを見せ、ウサイン・ボルト選手がアンカーを務めたジャマイカに次いで銀メダル。なんと短距離王国のアメリカに勝って銀メダルを獲得し、世界を驚かせた(アメリカは失格)。

 日本陸上競技連盟は長年、スプリンターの特性をデータで蓄積し、第1走者から第4走者まで、誰がどこを走れば最速のチームを作れるのか、「適材適所」を発見するためのデータ分析を行ってきたのである。その結果、導き出されたのが今回のオーダーだった。

 日本といえばバトンパスが巧みといわれるが、実は研究で得たことが反映されたからこそ、銀メダルを獲得することができたのだ。

 そしていよいよ4年後の2020年には東京五輪を迎える。

 4年という歳月は長いようで短い。地元開催の五輪であろうと、海外で数多くの経験を積むことは必要だし、ビッグデータを生かす戦略性を持つことも大切だ。おそらく、日本のスポーツ界は驚くほどの進化を遂げるはずだ。

 20年、世界各国からスーパースターたちが東京にやってくる。今から、よりスポーツに親しみ、東京五輪を楽しむ準備をしていこう!(解説/スポーツジャーナリスト・生島淳)

※月刊ジュニアエラ 2016年10月号より

ジュニアエラ 2016年 10 月号 [雑誌]

ジュニアエラ 2016年 10 月号 [雑誌]
著者 開く閉じる
AERA dot.編集部
AERA dot.編集部
1 2