私が国連で働くうえで一番大切にしていることは、「多様性の尊重」です。多様性は面倒くさいとか、みんなバラバラなものの考え方をしていてわずらわしいなどという人もいますが、私はそうではないと思います。
多様なものの見方があって、意見をぶつけ合い、それをまとめてよりよい姿を目指すからこそ、組織は強くなる。みんなで出した結論に対しても、みんなが自分事として、責任を持って取り組むことができる。私は「多様性は力」だと信じています。
日本では思っていることを言わないという場合も多いと思いますが、国際社会では言葉にしなければ、意見はないも同然です。まずは、考えていることや疑問に思っていることを言葉にすることがとても重要です。
みなさんも今後、さまざまな人に接するなかで、ぜひ心がけてみてください。
【根本かおるさん】
1963年生まれ、兵庫県出身。東京大学法学部を卒業後、テレビ朝日アナウンス部を経て国連職員に。国連難民高等弁務官事務所や国連世界食糧計画などで活躍した後、2013年から国連広報センター所長に就任。
※月刊ジュニアエラ 2020年9月号より
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