今までとは違う日常に、子どもたちもどこか緊張していた昨年。各都府県で緊急事態宣言が発出され、再び緊張が高まっている今こそ、親子で絵本の世界に浸ってリラックスする時間を少しでも確保してみてはいかがでしょうか。「AERA with Kids冬号」(朝日新聞出版)では、絵本ナビ編集長の磯崎園子さんと「丸善」丸の内本店の兼森理恵さんに、小学生にオススメの絵本・児童書をうかがいました。安心したり、共感したり、クスっと笑えたり、緊張が和らぐ本を紹介します。
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『ひみつのビクビク』
フランチェスカ・サンナ/作
なかがわちひろ/訳
廣済堂あかつき 1760円
怖いときや不安なときに現れて、危ない目に遭わないように“わたし”を守ってくれるビクビク。でも、引っ越しをきっかけに、ビクビクが大きくなってしまい……。「誰もが心の中にビクビクを持っていることに気づき、ちょっと安心できる作品です」(磯崎さん) 低学年から
『とりあえずまちましょう』
五味太郎/作 絵本館 1430円
電車が来ないとき、フルコースを待っているとき……。いろいろあるけれど、思い通りに行かない物事は、ゆっくりと待つしかない。そんなメッセージが込められた「とりあえず」シリーズ第3弾。「今の時間を楽しめばいいよね。そんな気持ちにさせてくれます」(磯崎さん) 中学年から
『こびん』
松田奈那子/作 風濤社 1540円
女の子の思いを乗せて海に出たこびんが、出会った人々の思いを乗せては、また波にゆらゆらと揺られ……。「誰かが大事にしていることを、大事にしていくことってすてきなこと。“つながる”ということの大切さを感じて、心が温かくなる一冊です」(兼森さん) 低学年から
『わたしたちのえほん』
南谷佳世/作 大畑いくの/絵
文溪堂 1540円
「ママよんで」と、りくが持ってきたのは、ママとパパも子どものころに好きだった絵本――。「絵本への愛がテーマの絵本。物語の中で絵本『ラミラとりんごの木』を読む構成なのですが、勇敢なラミラに勇気づけられるだけでなく、純粋に本っていいなと思える作品です」(兼森さん) 低学年から