コロナ禍にあっても年々増えている中学受験者。「偏差値はどう考える?」「子どもと親とで志望校が異なる場合は?」――中学受験のお悩みに、受験に詳しい「賢人」たちが答えた。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』(朝日新聞出版)より一部抜粋して紹介する。
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■説明会、参加のポイントは?
説明会の内容もさることながら、着目点として見逃せないのが、校長をはじめとする教員たちの雰囲気だと声をそろえるのは、声の教育社の後藤和浩さんと三谷潤一さん。
「教員同士の人間関係がよさそうな学校は、学校の雰囲気もいいものです。例えば校長の中には、説明会で自分の話が終わると会場を離れてしまう人と、着席して他の教員たちの話をうなずきながら最後まで聞く人がいます。もちろんお忙しい先生もいらっしゃるとは思いますが、後者のほうが学校としての一体感があって、いい学校だなという印象を持ちます。学校という職場環境のよさは、そのまま教育環境のよさに直結しますから、教員の様子はチェックしたいですね」
家庭教師の齊藤美琴さんは、個別に教員に話しかけてみることを提案する。
「先生との出会いも私立の魅力のひとつ。説明会ではぜひ積極的に話しかけてみてほしいと思います。何かひとつ共通の質問を用意して複数の学校に聞いてみると、その対応が比較できます。定期テストで成績が振るわなかったときは家庭でフォローしないといけないのか、補習があるのか、などを質問してみると、学校の面倒見のよさもわかります」
■併願校はどうやって決める?
都内受験の場合、多くは2月1日に第1志望校を受けることになる。受験する学校をどう選び、どのような日程を組むのかが重要になる。
長男、長女を私立一貫校に通わせるブロガーのkanaharuさんは、長女の受験経験から、2月3日までの受験校を慎重に考えておくべきだと言う。
「長女は1日、2日の午前午後受験で4校連続不合格となり、厳しい受験になりました。4日に改めて第2志望校である実力相応校の受験を予定していましたが、この状況ではそれも危ない。急遽別の安全校を直前出願して3日に合格。続く4日も合格しました」
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