親子関係を良い状態に保つには、どうしたらいいのでしょうか?「AERA with Kids秋号」では、「親子関係の新・教科書」を特集。そのなかで「ポジティブ心理学」の専門家に、ママのメンタルを良い状態に保つためのヒントを聞きました。

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 いつも子ども優先で、自分のことは二の次。そんなふうに家事や子育てを頑張りすぎていませんか? ニューヨークでポジティブ心理学をベースにさまざまな講座を開催する松村亜里さんは、良い親子関係を築くためには、まず、親自身が心の状態を良好に保ち、幸せでいることが重要だと言います。

「子どもに対して一生懸命になるあまり、疲れてイライラしたり、子どもを強く叱ったり。そんな経験は誰にでもありますよね。私もかつてはそうでした」と松村さん。悪循環を断ち切るべく、ポジティブ心理学を追求。愛着を形成する幼少期に過度に浮き沈みが激しい接し方をすると、子どもを不安にさせると気づいたと言います。

「親が幸福で安定した親子関係があると、その幸せが子どもにも伝染し、子どもは安心して自分の人生を生きることができる。自己肯定感が高い子になり、困難にもチャレンジする力が生まれます。“幸せ”というと大げさに思えるかもしれませんが、心も体も健康でいれば、日常のささいなことに幸福を見いだせるようになります」

 では、どのようにすれば日々の生活で幸福感を維持できるのでしょうか? 親子関係を今よりもっと良いものにするために、コンディションを整える方法を、松村さんに聞いていきましょう。

 「幸せでいる」といっても、常にポジティブな状態を保つ必要はない、と松村さんは言います。

「ポジティブ心理学では、ネガティブさも重要だと考えています。危険や失敗を防ぐために不安や怒りがあるわけで、ネガティブな感情も必要なのです。大事なのは、そうした否定的な感情に巻き込まれず、客観的に見つめること。必要以上に自分を責めないことです」

 例えば感情的に子どもを叱ってしまったとき、自分はダメな親だと思う人は多いですが、そんなときは、むしろ自分を慰めるほうがいいのだそう。

「怒ってしまった時点ですでに、親自身が後悔し、傷ついていますよね。『余裕がなかった。ちょっと休憩しよう』と自分に優しくするほうが、問題は早く解決します。心を整えて落ち着いてから、改めて子どもに向き合えばいいのです」

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玉居子泰子
玉居子泰子
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