【感謝】

 自分に寄せてくれた家族や友達の好意やしてくれたことに、いつも「ありがとう」と口にする習慣をつけましょう。または「今日、無事に過ごせた」ことに感謝するだけでもいいのです。感謝の気持ちを忘れない人は、幸せで前向きな考え方ができることがわかっています。同時に、他人からお礼を言われたら素直に受け取ることも同じくらい大切。謙遜せず、「喜んでもらえてうれしい」と伝えれば相手もうれしくなり、幸せの連鎖が続きます。

【趣味】

 親になっても、自分の人生を生きることは大切。それは何も大きな成功を収めたり、キラキラした人になったりすることではなく、ただ「自分が好きなことを諦めない」ということ。昔、時間を忘れるほど好きだったことはなんですか? スポーツ、ハンドメイド、音楽、なんでもいいのです。好きなことに没頭してフロー状態になれる人ほど、幸福度は上がり、仕事や家事などへの集中力も上がることがわかっています。

【理想】

 毎日忙しくても時間を一度とって、夢を全部かなえている「最高の自分」を、できるだけ具体的に書き出し、想像してみてください。「そんなのかなうはずない」と思うようなことでもいいのです。理想の自分を鮮明に脳内に描くと、脳は勘違いしてそれだけで強烈な幸福感を抱きます。すると自分の中にある楽観性が引き出され、「実際にその夢に近づくための行動」を始めるエネルギーが湧いてくるはず。「今」に感謝すれば、理想の実現がさらに加速します。

【感じる】

 毎日タスクをこなすのに精一杯で、複数のことを同時進行したり、手を動かしながら頭の中で次のことを考えたりしていませんか? ずっと追い立てられた気持ちでいると安らげず、幸せを感じにくくなります。TO DOリストはいったん置いて、ぜひ「今」を感じてみてください。窓を開けて外の空気の匂いを感じる、お迎えの途中で季節の花を見つける……そんな瞬間に五感を研ぎ澄ませるだけで、不思議なほど穏やかな喜びで満たされるはず。

【強み】

 これまで人に褒められたことはなんですか? 頑張らなくても得意なことは? 自分の「性格の強み」を知って、それを生かして、誰かの役に立つことは幸せを感じるためにとても大切なことです。ボランティア活動などで社会貢献するのももちろんいいですが、強みを生かした仕事で収入を得られるようになれば、より力強い幸福感を抱くはずです。

(ライター・玉居子泰子)

※「AERA with Kids2021年秋号」より抜粋

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2021年 秋号 [雑誌]

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玉居子泰子
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