「中学受験では、新校舎建築は受験生が増加する要因のひとつですが、開成レベルになると志願者の増減には影響を及ぼさないでしょう」(安田さん)

 本郷(東京都豊島区)、城北(東京都板橋区)、巣鴨(東京都豊島区)など、御三家に次ぐ「2番手校」も志願者を集めている。東大にコンスタントに2桁台の合格者を出し、昨年は早慶に100人以上の合格者を出した攻玉社(東京都品川区)が注目だ。海城(東京都新宿区)は21年夏に、九つの実験室がそろう3階建ての「新理科館」が完成。人気が上がりそうだ。

 ここ数年男子校人気が続いているが、そもそも首都圏の私立中学は女子に比べて男子の募集枠が少なく、男子受験生は苦戦しそうだ。

「女子の総定員数は受験生数の106%ありますが、男子は85%しかない。今年は受験生も増えそうなので、男子にとってはさらに厳しくなるでしょう」(安田さん)

 しっかりと併願対策を立てて臨みたい。

(文/柿崎明子)

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柿崎明子
ライター 柿崎明子

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