前年に引き続き伸びているのが、「半付属校」と呼ばれる2番手校だ。系列大学への進学も想定しつつ、手厚い受験指導で他大学も視野に入れているのが特徴だ。21年に初めて2月1日の午後入試を行った神奈川大学附属(神奈川県横浜市)も連続で志願者が増えている。

「神奈川大学附属はキャンパスが広く、環境がいい。午後入試を行ったことで併願が増え、改めて良さが認識されたのでしょう」(安田教育研究所の安田理さん)

 女子大学系の半付属校も人気だ。実践女子学園(東京都渋谷区)、跡見学園(東京都文京区)、共立女子(東京都千代田区)などが志願者数を伸ばしている。

「共学よりも別学の付属校の方が定員の枠が大きく、特に女子大学の付属校は比較的入りやすい。安全志向の受験生が志願したのでは」(森上さん)

 昭和女子大学附属昭和(東京都世田谷区)は中3から導入していた「スーパーサイエンスコース」を中1からに前倒しし、理系を目指す女子から好感を呼んだ。女子美術大学付属(東京都杉並区)も3年連続で志願者を増やしている。

「女子美術大学付属は、学校説明会で卒業生の活躍をさりげなく展示したり、STEAM教育を標榜したりするなど、広報面も充実しています。コロナ禍による20年の休校が明けた際、分散登校の授業をすべて美術にするなど、生徒に寄り添った対応も評価されました」(安田さん)

「御三家」と言われる、いわゆる最難関校の志願者の動向も見てみよう。難関校志望者の多くが受験するサピックスの模試結果によると、男子御三家は昨年志願者を減らした麻布(東京都港区)が増加。開成(東京都荒川区)、武蔵(東京都練馬区)はほぼ前年並みだった。女子御三家は桜蔭(東京都文京区)が前年並みで、女子学院(東京都千代田区)が志願者を増やし、逆に雙葉(東京都千代田区)は減らしている。

 開成は創立150周年記念事業のひとつとして、新校舎を建設。A棟、B棟、C棟、別館のうち21年5月にA棟が完成した。

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