高大連携の動きも進んでいる。青山学院横浜英和(横浜市)と青山学院大学系属浦和ルーテル学院(さいたま市)は、青山学院大学と提携し、大幅に受験生を増やした。女子校では女子大学との提携も盛んに行われている。麹町学園女子(東京都千代田区)は東京女子大学、共立女子大学、東洋大学、女子栄養大学、成城大学、日本女子大学の6大学と連携。女子聖学院(東京都北区)は東京女子大学と連携している。

■女子校が理系教育を強化

 ここ数年は21世紀型スキル教育を標榜する学校が人気だが、森上教育研究所の森上展安代表によると、今後は理系教育が焦点になるという。

「奈良女子大学やお茶の水女子大学が工学部を開設するなど、女子大学も理系学部へ傾斜しており、中高にも波及しています」

 難関校ほど理系志向が強いが、中堅女子校も理系教育に本腰を入れ始めた。昭和女子大学附属昭和(東京都世田谷区)は中1から「スーパーサイエンスコース」を設定。恵泉女学園(東京都世田谷区)は課外活動に「サイエンス・アドベンチャー」を設置。山脇学園(東京都港区)は高校に「サイエンスクラス」を設置。さらに富士見(東京都練馬区)のように東京理科大学などの理系大学と連携して、理系教育を行う学校もある。

 安田さんによると、来年の入試はさらに厳しくなりそうだ。

「模試を受けた5年生の数が前年よりも増えており、受験者増が見込まれます」

 東京都の調査によると、公立小学校1年の児童数は22年度までは増加傾向にあり、その後減少に転じる見込みだという。つまりあと5年間、東京都では小学6年生が毎年増えることになる。私立人気と相まって、しばらくは厳しい戦いが続きそうだ。

(文/柿崎明子)

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ライター 柿崎明子
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