「2018年度医学部入試情報(河合塾医進塾)」によれば、全国の国公立大学および私立大学の医学部の合格最低偏差値ラインは60.0。超難関である医学部受験に強い高校はどこか。「カンペキ中学受験2018」(朝日新聞出版刊)から、首都圏中高一貫校の国公立大全医学部と私立大全医学部の合格率(合格者÷卒業生数×100)ランキングをお届けする。

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■医学部合格率トップは筑駒、2位の桜蔭は女子高トップ

 医学部人気は地方で高い傾向があるが、近年は首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)でも人気が上がっている。特に手に職をつけたいと考えるリケジョ(理科系女子)のトップ層が、医学部を目指す傾向が高くなってきている。

 その上、医学部の定員は近年、増加している。2007年の7625人から、16年には9262人になり、1637人、21%も増えている。少子高齢化が進む中、地方の医師不足、診療科の偏りを解消するためだ。また、16年には東日本大震災の復興支援のため、35年ぶりに宮城県仙台市に東北医科薬科大医学部が新設。17年は千葉県成田市に国際医療福祉大医学部が新設された。定員増で医学部は、以前と比べて入りやすくなっている。

 医学部合格率トップは筑波大附駒場で49.38%だった。国公立大43人、私立大37人で、国公立大合格者のほうが多い。医学部合格者数をみると、明らかに国公立大に強い学校と私立大に強い学校とに分かれる。14位の栄光学園も国公立大に強い。

 一方、全体的には私立大型の学校が多い。その理由は、首都圏には国公立大医学部が少ないことがあげられる。東大、東京医科歯科大、千葉大、横浜市立大の4校しかなく難関だ。文部科学省所管外の防衛医科大を加えても5校で、近畿地方の7校と比べても少ない。

 それに対して私立大医学部は首都圏に15 校あり、全国にある30校の半数を占めている。17年はさらに1校増え、首都圏で私立大医学部を目指す受験生が多いのは無理のないところだ。(大学通信・安田賢治)

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安田賢治
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