もし本人が「困っている」と感じているようであれば、皮膚科に相談することをおすすめします。たとえわきがではなかったとしても、医師から「心配なにおいはありませんでした」と説明を受けるだけで、子どもは安心できるでしょう。
実際、診察の結果、においの原因はわきがではなく、衣類に繁殖した雑菌だったり、汗の量が多いだけだったりというケースも少なくありません。
まれにですが、「自己臭恐怖症」という状態が見られることもあります。実際にはまったくにおっていないのにもかかわらず、「自分は臭い」と思い込んでしまう状態です。大人に多い傾向がありますが、中高生でも見られることがあります。なかには、本人が深く悩んでいて、手術を希望される人もいます。
そうした場合は皮膚科では対応が難しく、精神科を紹介することになります。
まず子どもの話に耳を傾け、悩みがある場合は一緒に解決の方法を探す姿勢を持つことが大切です。そして周囲の大人やクラスメートなど周りの人たちは、においに対して過度に神経質にならないよう、理解を深めることも必要です。子ども本人の気持ちに寄り添いながら見守ること。それが、大きな支えになるでしょう。
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(取材・文/柳澤聖子)
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