また、耳あかが湿っているかどうか、家族にわきがの人がいるかなどを聞かせていただき、体質や家族歴も含めて総合的に判断します。

 においの悩みは、子ども本人や家族だけでは判断がつきにくいこともあります。もし気になるようであれば、皮膚科に相談していただくのがよいでしょう。

対策と治療は? できることは意外と多い

Q:わきがと診断された場合、どのような対策や治療があるのでしょうか。

 まずは、日常生活の中でできることから始めるのがよいでしょう。

 軽度の場合は、可能な範囲で、汗をこまめにふき取ったり、シャワーを浴びたり、肌を清潔に保つことが基本になります。また、ボディーソープも肌に優しいタイプのものではなく、ある程度の洗浄力がある薬用タイプのものを使い、皮脂や汚れをしっかり落とすのも有効です。

 さらに、ポリエステルなどの化学繊維の衣類はにおいがしみつきやすいため、綿などの天然素材のものを選ぶとよいでしょう。

 わきがと多汗症の両方がある場合には、汗の量を抑えることで、においの軽減が期待できます。例えば、9歳から使用できるシートタイプの薬や、12歳から使えるゲルタイプの薬などを使用して汗を抑える方法が有効な場合もあります。

Q:手術という選択もあると聞きました。何歳ぐらいから受けられるのでしょうか。

 より深刻な悩みを抱えている場合には、アポクリン腺を取り除く手術という選択肢もあります。手術を受ける年齢に制限はなく、本人と親御さんの同意があれば、小学生でも受けることが可能とされています。ただ、身体の成長や本人の意思を尊重することを考慮して、中学生以降になってから手術を受ける人が多いようです。

においの悩みと向き合うために。親としてできること

Q:体のにおいの問題はデリケートで、深刻な場合は不登校にもつながりかねないと聞くことがあります。子どもが自分自身のにおいを気にしている場合、親はどう対応したらいいでしょうか。

 親御さんが、わきがのにおいに気づいた場合、まずは「何か気になることある?」と、さりげなく声をかけてあげてください。

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