今は社会だけでなく、創作の世界も相当めちゃくちゃになっています。確かに毒を入れると話は面白くなります。でも子どもは、毒のある話に触れるとあまりにも影響を受けてしまう。だから僕は主義として、作品に暴力や破壊などの毒は絶対に描きません。
毒を入れない範囲で、僕はプロとして面白い話を作ります。チャップリンは哀愁を盛り込むことで笑いを引き立てていました。それは難しいことだけれど、僕も、ちょっと塩味にすることで気持ちよく笑える、そんな話を書こうと心がけているんです。
(取材・文/大崎典子)
*「AERA with Baby2008年秋号」(休刊)より抜粋しました
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