不安定な登校状況 仕事の調整が負担に

 学校に行ったり行かなかったりを繰り返すお子さんの状況になんとか合わせながら対応しているBさん。

 学校に行けるよう働きかけてはいるものの、様子を見ていると「無理はさせられない」「一人にはできない」と感じるようです。

「どうしても朝は『(学校に)行け』って言っちゃいますよ。行きたくないのに無理に行かせても逆効果と分かってはいるんですけどね。メンタルだったりとか、学校でなんかこう嫌なことがあったりしたら、やっぱり一人にはさせられないなと思うから、僕が在宅に切り替えてそばに付き添うようにはしています。子どもの自殺とかも最近増えているので心配なのですが、なかなかちょっとこの状況は困ったもんだなとは思いますよね。」

 Bさんが最も頭を悩ませているのが、仕事との両立です。

 Bさんが勤務する会社では在宅勤務が認められていますが、少数派であることは確か。どうしても周囲の目が気になってしまうと話します。

「僕は在宅もできるんですが、やっぱり会社で白い目で見られるし、立場がどんどんなくなっていく感じがします。妻は在宅ができないみたいなので、どうしても僕の負担が重くなってきますね。それで『なんで俺にばかり負担がかかるんだ』と妻と言い争いになってしまうんです。その喧嘩でさらに子どもは『もう行きたくない』となってしまう。ものすごい悪循環っていうか、もう地獄ですよね。だったらもう(仕事を)辞めた方がいいんじゃないかと思うことがあります。うちの子どもが不登校気味だというのは僕の上司には伝えてあって、上司は『お子さんのそばにいてあげてください』みたいな感じで言ってくれますけど、他の人(同僚)は知らないですから...。」

 職場の理解がもっと得られればと思う一方で、不登校に関する話は周囲には打ち明けづらい複雑な胸中を話してくれました。

「(子どもの不登校は)同僚には言い出しにくいです。それは自分の子育てが恥ずかしいっていうことではなくて、なんかそれを言い訳にして仕事してないっていう風に見られそうな気がして。『うちだって介護してるのに』とか『まだ子供がいて、会社に行けたり行けなかったりすることがあるのに』っていう人もいるでしょうからね。あと、同じように子どもがいる同僚との話でも、ちょっと話の立ち位置も違ったりするんですよね。『受験するならどういう塾がいい』とかね。今日、明日のことで悩んでいる僕からすると、『冗談じゃない、うちそんなレベルじゃ今ないし』と思ってしまう。だからとても話す気にならないというのもあるんですけどね。」

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