――子どもから「野良猫を触った」「猫にひっかかれた」と言われたら、どうすればいいですか?
まずは、触れた手指や傷ができた部分を水道水でよく洗ってください。傷ができていれば、そのうえで消毒液を塗ったり、傷を治すパッドを貼ったりして対応します。もちろん傷が深い、大きいということであれば、ただちに外科を受診してください。
その後2週間くらいはリンパ節が腫れていないかなど、子どもの様子をよく観察するようにしてください。
――リンパ節が腫れたり、発熱が続いたりしている場合は?
リンパ節の腫れだけであれば、通常は1カ月半~3カ月ほどで自然に治りますが、抗生物質で治療をすればより早く治ります。小児科を受診したら、「野良猫にかまれた」「猫を飼っている」など、猫との接触があったことを必ず伝えてください。リンパ節の腫れはほかの病気でも起こるので、猫との接触があった事実を伝えなければ、診断は難しくなります。
猫ひっかき病が疑われれば、「バルトネラ・ヘンセレ」の抗体価を測定する血液検査を行い、診断がついたら、抗生物質による治療を開始します。リンパ節の腫れが大きい場合などは、化膿部位を吸引したり、消炎鎮痛剤を使用したりすることもあります。一方、非定型例の場合は、積極的な抗生物質の投与が必要です。猫にひっかかれたあとにリンパ節の腫れがなくても、視力の低下や発熱など体調不良が続くようであれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

(構成/中寺暁子)
著者 開く閉じる