文系男子は「全方位」! 業種を問わない多彩な志望企業

――同じ女子でも文系はまた違うのでしょうか?

 化粧品の会社や食品メーカーが好まれるという面では理系女子と共通する部分もありますが、文系女子で特徴的なのは出版社や広告代理店、ポニーキャニオンやソニーミュージックグループといった音楽レーベル系の人気が高い点です。広い意味でのメディア系と言いますか。

 2010年代までの過去のランキングを見ても、講談社、集英社、ベネッセコーポレーションなどは比較的上位に入っています。

――サンリオが文系女子だけランクイン(62位)していますし、オリエンタルランド(15位)が文系男子(64位)よりかなり上位なのも目立ちます。

 旅行や観光の分野は根強い人気です。出版や広告なども例年上位になっていることからも、総じてエンターテインメント系の人気が高いのが文系女子ですね。

 最後が文系男子ですが、ひとくくりにできないほど多様な業界が選ばれるのが一番の特徴かもしれません。業種や職種にとらわれず、いろいろな企業を志望する傾向にあるのが文系男子で、有名な会社がランキングに入ってきやすい。ゼンショーホールディングス(90位)や、はま寿司(93位)といった外食産業も入ってきています。あらゆる業種・業態の会社がまんべんなくランクインしていて、多様なキャリア観を持つ学生が多い印象があります。

出典:マイナビ・日経 2026年卒大学生就職企業人気ランキング
出典:マイナビ・日経 2026年卒大学生就職企業人気ランキング

――専攻や性別でこれほど違いが出るものなのですね。こうした傾向の違いは昔からあるのですか?

 ニトリのような広い意味でのサービス業が、ここ数年文系で大人気となったり、理系女子でもランクインしてきたりと若干の変化はありますが、大きな傾向としては昔から変わりません。ただ、就職先選びは社会の変化など、さまざまなことの影響を受けて変わる可能性があるので、これからも注視していきたいと思います。

 (取材・文/八木沢由香)

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八木沢由香
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