大学生の就職先選びには、学部・学科の専攻が影響を与えることが知られていますが、男女によっても異なる傾向が見られるようです。「マイナビ・日経 2026年卒大学生就職企業人気ランキング」の結果をもとに、マイナビキャリアリサーチラボの研究員・長谷川洋介さんに解説してもらいました。

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理系女子に農業系が人気? JA全農、タキイ種苗がランクイン

――大学生就職企業人気ランキングを詳細に見ていくと、男女で選ぶ企業に差があるように感じられます。

 単純に男女で二分すると明確な差については言及しづらいのですが、「文系男子」「文系女子」、「理系男子」「理系女子」の4つのカテゴリーで見ていくと、人気の企業に関して大まかな傾向が見えてきます。

 理系の学生はこれまでも、男女ともに学部・学科の専攻がそのまま就職先の職種につながりやすい傾向があります。そこでの男女差ということで言えば、理系男子の場合、自動車・エンジン系、KDDIやNTTデータといった通信系、SkyなどのIT系、電子メーカー、総合電気メーカーが比較的選ばれやすいといえます。モノづくり系の企業に加えて、IT系や通信系が多いというのが理系男子の特徴といえるかもしれません。

 一方で理系女子は、学部・学科の専攻において、機械系より薬学系を選ぶ学生が多いので、薬学の知識を生かせるところが人気です。

――アイングループや日本調剤といった調剤薬局がトップ10入りしているのは理系女子だけですね。

 そうですね。理系女子はランキング100位までの間に、薬剤師として働ける調剤薬局が多数ランクインしています。あとは資生堂やコーセー、花王といった化粧品メーカー、中外製薬や大塚製薬などの医薬品メーカー、カゴメや日清食品などの食品メーカーも理系女子に選ばれやすいですね。過去のランキングを見ても、化粧品、医薬品、食品が大体上位に入っています。

 また今年は、理系女子のランキング76位に全国農業協同組合連合会(JA全農)、88位にタキイ種苗と農業系も入ってきています。どちらも昨年は100位圏外で、今年は大きく上がっているのです。住友林業も100位圏外から今年は41位とかなりジャンプアップをしています。もともと食品関連が人気だったことに加えて、より踏み込んで農業関連に注目が集まっている可能性もあります。ここは、今後の流れに注目していきたいですね。

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八木沢由香
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