生徒の海外大進学を後押し
3位は、広尾学園(東京都港区)です。1918年に板垣退助夫人らが創立した順心女学校を母体とする順心女子学園が2007年に共学化し、現在の校名になりました。1973年には文部省(当時)の海外帰国子女教育研究指定校となるなど、古くから積極的に帰国生を受け入れています。
2007年度に設置されたインターナショナルコースは、帰国生など英語力がある生徒が対象のアドバンストグループと、これから英語力を伸ばすスタンダードグループに分かれ、いずれも国内外の難関大学への進学をめざしています。アドバンストグループでは国語や社会の一部などを除いたほとんどの教科は英語で授業が行われます。一方スタンダードグループは授業の半分以上が日本語ですが、英語力を上げるための特別授業が多く組まれています。また、海外大学の担当者を招いた海外大学説明会を定期的に開催するなどして、生徒の海外大学進学を後押ししています。
これら上位3校のほか、5位の開智日本橋学園(東京都中央区)、8位の武蔵野大(東京都西東京市)など、女子校から近年共学化した学校が上位に多くランクインしています。
「これらの学校はもともと英語教育に力を入れているところが多く、共学化した際に、グローバル教育をさらに強化する改革を実施しています」(大野さん)
国際バカロレア(IB)の導入で、国際基準に沿った教育を推進
英語教育を充実させるだけでなく、近年は国際基準に沿った教育を行う学校も増えています。
4位の昌平(埼玉県杉戸町)、5位の開智日本橋学園、23位の茗溪学園(茨城県つくば市)、26位の玉川学園(東京都町田市)などは、国際バカロレア(IB)を導入しています。国際バカロレアとはスイスに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムで、ディプロマプログラム(DP)を履修して最終試験に合格すると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が得られます。
また、1位の三田国際科学学園や13位の文化学園大杉並(東京都杉並区)、ランク外の麴町学園女子(東京都千代田区)や国本女子(東京都世田谷区)などは、外国と日本の2カ国の高校卒業資格を同時に取得できるダブルディプロマを導入しており、海外大学進学の可能性を広げています。
これからの社会で活躍できる人材を育てるため、多くの中高一貫校でグローバル教育が重視されています。学校ごとの特色をよく把握して、志望校選びの参考にしてみてください。
(文/白井裕子)