もし、「なんでも『おもしろがって』みよう」と最初からあなたが決めていたとしたら、どうなると思いますか?

 また、こういう場合はどうでしょう。

 クラスの友達があなたの悪口を言っているとわかった。これはどう考えても「嫌だ」「うっとうしい」「悲しい」という感情なのでは?と思いますよね。

 悪口を言われるというのは、確かに嫌なものです。

 でもここで、自動的に「嫌だなあ」という感情を選び、その感情をずっと持っていると、どうなると思いますか。

 自動感情が自動思考を連れてきて、落ち込む、やる気がなくなる、傷つく……。

 これは、先ほどとは逆の「マイナスのサイクル」です。マイナスの自動感情がマイナスの自動行動を連れてくるのです。

 だから、悪口を言われる=嫌な出来事、これは間違いないとしても、「嫌だ」という感情をわざわざ選んで、長く持つ必要はない、ということです。

 嫌な出来事に対して、いつまでも「嫌な気持ち」でいるのはやめましょう。

 そうすればそのあと、そもそも悪口を言われることは何もしていない、と冷静に考えたり、落ち着いて誰かに相談したり、その友達と思いきって話し合いをすることができるかもしれません。

 言葉で説明を聞くだけでは、最初は少し難しく感じるかもしれません。

 でも、このトレーニングを繰り返していくと、プラス感情を先取りすることや、感情を選ぶこと、それを常に意識することが簡単になります。

 こうやって、自分で意識して感情と気持ちを選択することをプラス思考(ポジティブシンキング)といいます。

 プラス思考は繰り返し練習すればできるようになります。

 嫌なことがあると、それについていつまでも考えてしまう、とか、すぐ落ち込んじゃうんだよなあ、と思っている人は、ぜひ身につけてもらいたいと思っています。

 そしてあなたがいつもごきげんだと、友達や家族との関係もどんどん良くなります。その結果、これまでの何倍ものパフォーマンスが発揮できるようになるでしょう。

 感情は選べることを知り、プラス感情を自分の味方にすれば、結果を大きく変えられるのです。そして何よりも、あなた自身の「心の健康」のために、プラスの感情を選ぶ、マイナスの感情を長く持たない(手放す)ということを身につけてもらいたいと思っています。

立てた目標を「下方修正」しないためにはどうしたらいい? 達成できる目標を立てる4つのポイント
中高生のための目標達成ノート

原田隆史

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