例えば明日から修学旅行があるとしましょう。

 まずは、出発前の時点で、「100%楽しむぞ!」と心に決め、ワクワクした気分を味わうリハーサルをします。

 方法はなんでもかまいません。修学旅行で楽しみにしているイベントのことを考えたり、帰り道に友達と「楽しみだね!」と話したりするのもいいでしょう。

 以前ワクワクしたときのことを思い出すのもいいし、ワクワクできる映画を見るのでもいいでしょう。

 そして出発後は、リハーサルで感じたワクワクした気持ちを常に意識するようにすると、ごきげんで過ごせるようになり、おもしろそうなことを積極的に見つけようとしたり、思い切ったチャレンジをするモチベーションが上がります。

 つまり、先取りしたプラス感情を感じるような行動に、自分を向かわせやすくなるのです。

 そうすることでさらにきげんがよくなり、その前向きなエネルギーがモチベーション=やる気となって次の行動を後押ししてくれるのです。

 このような、「プラス感情→プラス行動→さらにプラス感情→さらにプラス行動→ますますプラス感情」という良いプラスのサイクルが回っていけば、修学旅行という行事はきっと、最初に思っていたよりももっと楽しい、一生忘れることのない素晴らしい経験になるでしょう。

「自動感情→自動思考」を断ち切れば、自分で感情を選ぶことができる

 大人でもわかっていない人は多くいるのですが、実は、「嫌なこと」というのは起きず、「何かが起きて、それが嫌だと感じる」というのが真実なのです。

 出来事に対して、数多くの感情・感じ方の中から、自分が「嫌だ」という感情を選んでいるのです。

 何か出来事が起きると、ほとんどの場合、人は瞬間的にそれに対する感情や行動が浮かびます。これが自動感情・自動思考です。

 例えば、「最近おもしろいことないなあ。つまらないなあ」と考えたとしましょう。

 これは、おもしろいことが起きていないのではなく、たくさんのことが起きているのに、その出来事に対して半ば自動的に、あなた自身が「おもしろくない」という感情を選び取って、「だから毎日つまらない」と、自動的に考えている、ということです。

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