タエ:高2で国際物理オリンピックに出場したときは開催地で英語が役に立ったんじゃない?
キリ:他の国の人とコミュニケーションをとるときは英語ができて楽しめましたね。問題文は基本的に全部翻訳されるので、解くときは英語ができたことで有利になることはなかったです。でも翻訳されたものと原文の両方をもらえるので、自分は基本原文で解いていたような……。あと、大学3、4年になって授業が英語になったことや、いろいろな国から留学生が来て英語が公用語のような感じになっていたので、英語ができて楽だったというのはあります。
――自宅学習が中心で、中学受験や大学受験の際にも塾通いや通信教育は一切しなかったキリさん。その裏側では「どんな子にでも、その子に秘められた特別な力があるはず」と信じて、お金をなるべく使わずに親の知恵と工夫で子育てをしてきたタエさんの、学習サポートに対する強い思いがあります。
タエ:実は、英語を習得しているからといって、息子が「英語の道に進みたい」と望んだらいやだなと思っていたんです。自分が始めた英語が息子の人生を決定してしまったら、それはそれで複雑な心境になるのではないかと。でも息子は自分なりに好きな分野を見つけて進路を選んでくれて。物理学という分野に興味をもって国際オリンピックに参加したりその後の進路を決めたりしたときはうれしかったですね。
キリ:英語はあくまで道具なので、どういう方向に進むかはまったく別の話ですね。母は自分がやってみたいことを全然否定しないし、すべてを受け入れてくれたので、とてもありがたかったです。
(構成/久次律子)
※後編<東大推薦入試に合格した息子の母が語る、子ども時代の“種まき”「スケジュールを詰め込んだり間違えても怒ったりはしなかった」>に続く