学習のお悩みに解決策を示したい

――連載を始めるにあたり、情報収集はどのようにされましたか?

 参考書を扱っている出版社や書店に行ってお話を伺うなど、半年ほどかけて情報を集めました。中でも一番時間をかけたのが、子どもとその保護者が日々の学習の中で感じているお悩みの調査です。学習に関するお悩みの実情がわかれば、それに対して何らかの解決策を示す作品が描けるのではないかと思いました。

 知人の話やSNSの投稿、ネットの掲示板などからたくさんの声を拾い上げた結果わかったのは、「子どものやる気のなさ」が多くの人にとって最大の悩みになっているということでした。子どもの学習意欲に火をつけるためには何をすればいいのか、学習参考書を使ってできることは何かといったことは、今もよく考えています。

「必要ない」の一言で保護者は安心できる

――今の時代、勉強方法や教材選びに関しても与えられる情報が多すぎて、何をすればいいかわからない親子が増えている気がします。

 そうなんです。だから作品の中では「これはやったほうがいい」「これはやらなくてもいい」ということまで、できるだけ描くことを意識しています。

――小学生の英語学習や英検受験を取り上げた回でも、福山が「焦ってやる必要はない」と断言するシーンがありました。作中に出てくる福山の意見は、どれも非常に明快です。

 福山のセリフには、これまでに取材をさせていただいた方々の意見をギュッと詰め込んでいます。勉強方法や学習参考書の選び方については、当然いろいろな意見があるでしょう。でも、たくさんの情報がある中で不安になっている人、何から始めればいいか見当が付かない人からすれば、いくつも選択肢を与えられるより、一つの正解を言い切ってもらうほうが安心感を得られると思うんです。

――作中に登場する保護者も、福山の言葉の迫力に圧倒されつつ、安心した表情を見せていますね。

 子どもからすれば、自分の勉強のことで親が焦ったり不安になったりすることが、一番つらいはずです。お子さんのためにも、まずは保護者のみなさんを安心させたいという思いも、作品には込めています。

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