子どもたちには「テレビに映っている人が1人いたら、その陰には、出られなかった人が何千人もいるんだよ。テレビに出られるって、奇跡みたいなものなんだよ」「もしもテレビに出られたとしても、仕事が常にあるわけじゃないし、給料がゼロの月だってあるんだよ。だからまず、ちゃんと稼げる仕事を持つことが大切だよ」「お金がないとゲームに課金したくてもできないし、気軽にコンビニでジュースも買えない、それどころか3食まともに食べられないってことも普通にあるけど、それでも夢を追いたい人たちが芸能界にはたくさんいるんだよ」という話もしています。
めっちゃリアルですよね(笑)。でも、そんなリアルをたくさん見てきているからこそ、わが子には話さなくちゃって思っています。
働いてお金を稼ぐことは、自由を得ること
夢を持つことは素敵なことですが、夢だけで生きていくのは本当に大変です。確実性のない夢のために努力することは、経済的な余裕を失うことでもあるからです。それでも追いかけたい夢ならいいけれど、そうでないなら、まずは自活する方法を探さなくちゃいけないと私は思うんです。
私は高校生のとき、ハンバーガー屋さんで初めてバイトをしました。親が厳しくて、おこづかいが少なかったからです。バイトがあったから、自分の欲しい携帯電話が買えたし、かけ放題のプランにすることもできたんです。
お金を稼ぐって、自由を得ることでもあると知りました。
子どもたちが高校生になって「バイトしたい」と言ったら、させようと思います。社会勉強にもなりますから。
でも、そのときにはちゃんと「バイトすればお金はすぐ手に入るけれど、そのぶん勉強が遅れてしまうかもしれない。それで大学に入れなかったら、仕事の選択の幅が狭まって将来の収入も変わってしまう可能性があるよ」とも話すつもりです。目先のことより、もっと先のことを考えてほしいから。
私にとっての子育てのゴールは、子どもたちを自立した大人にすることです。そのためにも、自分で自分の道を見つけてほしいし、勉強はその手助けになると思うのです。
(構成/神 素子)