要は欧米風の食生活は控えめにして、できるだけ手作りの日本料理を食べさせること。それが大切なのです。

 さらに、私は息子たちには甘い飲料水は、一切飲ませませんでした。糖分の高い飲み物は、小さな子どもの体に「シュガーハイ」を起こさせます。一時的に血糖値が上がり、インスリンが大量に分泌されると、分解された糖分によって、子どもはいい気分になり元気一杯になります。しかし、あっという間に糖分は省えてしまうので、体が次の「ハイ」を求めて、また糖分を欲しがるのです。それは、大量に糖分を食することに繋がり、肥満の原因にもなります。そのうちにインスリンの分泌が乱れ、糖尿病になってしまう子どももいます。

 私がとくに注目したのは、むしろ「シュガーハイ」が抜けた後の「落ち込み」です。小さな子どもは、ハイになると過剰に活発になり、集中力をなくしたり、落ち着かなくなったりします。

 逆に「落ち込み」が始まると、機嫌が悪くなり、泣いたり、わめいたりしてしまうのです。この繰り返しは、子どもにとっても、大人にとってもストレスです。しかも、気分が不安定な子は、遊びも勉強も散漫になり、友達付き合いもうまくいきせん。

 だから、私は息子たちに、甘い飲料水を飲ませなかったのです。ジュースもできるだけ飲まさず、そのぶん、果物を食べさせました。なぜ、甘い飲み物を飲んではいけないのかという理由は、幼い頃から息子たちに細かく説明しました。彼らはそれをよく理解してくれて、私がそばにいないときでも、決して甘い飲み物を飲もうとしませんでした。

 今でも、息子たちは、好んでお茶か水を飲んでいます。薬膳など食の健康に関する知識を、すすんで自分で調べて、それぞれが自分の体質に合った健康的な食べ方をしています。母はよく、「あなたは食べた物そのものになるんだから、よく考えて食べなきゃダメよ」と言っていました。母から数わった伝統的な知恵と、科学的根拠によって、私は子どもに甘い飲料は飲ませなかったのです。

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スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法

アグネス・チャン

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江口祐子
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