――「打席に立つ」……、なんだか勇気がわく言葉ですね。おぱぴまるくんには、本をどのように楽しんでほしいと思われますか?
小島 そうですね……。「夢中」になれる時間があればいいな、と思います。たとえば、僕が経営の本を夢中になって読むように、星新一さんのショートショートに夢中になる人もいる。人によってジャンルは異なりますが、そんなふうに自分の「夢中ジャンル」が見つかるといいな、と思います。
――夢中になれるものが見つからなくて悩んでいる人も多いですよね。どうやったら見つかるでしょうか。
小島 これはもう、先ほどと同じで「打席に立つ」こと。自分に合う本は、年齢やそのときの状況で絶対に変わるので、いろいろなジャンルを試して「今の自分」に合う一冊を見つけるのです。
――最近、小島さんが誰かにおすすめした本はありますか?
小島 これも稲垣栄洋さんの本なのですが『散歩が楽しくなる身近な草花のふしぎ 植物が教えてくれる「限りある命」の使いかた』(三笠書房)はとてもおもしろかったので人にすすめました。散歩の途中で見かけるような草花をめぐるエッセーなのですが……ネタバレになるのでお話ししませんが、それだけでは終わらない、という感じなのです。
――えっ、すごく気になる、読みたくなります(笑)!
<笹沼颯太のつぶやき>
実際に、本で得た知識を人に披露するのが「楽しい」とおっしゃっていた小島さん。インプットをしっかりアウトプットまでつなげる習慣があるということであり、教育的にはぜひ目指したい読書家像だなと感じました。そして、お子さんには本を読むことそのものを楽しんでほしいとおっしゃっていたのも印象的。「好き」が見つかれば、子どもはいわれなくても夢中になって本を読むもの。「打席」に立って、さまざまな本を体験してほしいと思いました。Yondemyが運営するPodcast番組『おうち読書のミカタラジオ』でも対談の感想や本の読み方のアドバイスなどを配信しています。
(構成/三宅智佳)
※前編〈小島よしおが「本」をたくさん読む理由 「読書が栄養になって、個性につながっていく」〉から続く
笹沼 颯太