小島よしおさん(右)と笹沼颯太さん(左)

お笑い芸人もタレントも、ひとつの「企業」だと思います

――小島さん、今は読書とどんなふうに向き合われていますか? 

小島 本を読みながら「これ、いいな」とアイデアが浮かんだり、ちょっとかっこいいフレーズと出合ったり……。これを仕事で活用して、皆さんから反応をいただいて「ああ、本を読んでよかったな」と感じることが多々あるんです。誰かとちょっとおしゃべりしているときでも、本から得た知識を誰かに伝えたときに「そうなんですね!」と感心してもらえたときなども同様です。「すごいっすね!」「知りませんでした」なんて言ってもらうと、純粋にうれしいですし……。

――本からインスピレーションを得ることってありますよね。

小島 僕はお笑い芸人もタレントも、ひとつの企業だと思っているんです。企業が生き残ったり、伸びたりするための知識を得るために、読書は必要なんです。

――なるほど、仕事目線でも読書はとても有意義ですね。

小島 ピン芸人になりたてのころ、一時期読書から遠ざかっていたのですが、再開したときは、稲盛和夫さんをはじめ経営に関する本をよく読みました。稲垣栄洋さんの『弱者の戦略』(新潮選書)という本もそのときに読んだ一冊。稲垣さんは植物学者ですが、生物や植物の生き抜く戦略がビジネスにもとても参考になるのです。僕は「雑草」の生き方や生存の戦略が、自分の背中を押してくれたような気持ちにもなりました。

本に「夢中」になる時間を体験してほしい

――たくさんの芸人さんがいらっしゃる中で、自分の強みを見つけたり、それを持続させていくことのコツなどがあれば、ぜひ教えてください。

小島 とにかく「打席に立つ」ということです。いろんなこと、新しいことを試してみる。僕の場合、子ども向けのライブもそうですし、野菜の歌を作ったり、本の読み聞かせをしてみたり……やってみたら意外とうまくいった。そこで自分の強みを見つけたり、アイデアが浮かんだり。もちろん、「あ、これは向いてなかった」というものもたくさんありますよ(笑)!

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