おすすめポイント

 漫画家、イラストレーターのスケラッコさんの挿絵がかわいくて、眺めるだけで楽しい気持ちになります。料理も食材もおいしそうで、いくら見ても見飽きません。

 れおくんは誕生日に買ってもらった自分の包丁を持っています。れおくんが包丁を握る姿を見ると、子どもも「自分も料理してみたい」と思うはず。また、レンコンを切ると丸い穴が空いていることや、ねばねばすることなどの特徴がお話のポイントになっているので、レンコンについて自然に知ることができます。

『れんこちゃんのさがしもの』(戸森しるこ 作/スケラッコ 絵/福音館書店 刊)

 レンコンを輪切りにしたら、あらわれたれんこちゃん。穴が目と口になっていて、その口がしゃべるというわけです。煮物はいやだとコロコロ転がっていきますが、じゃあ、れんこちゃんは何になりたいのでしょうか。タイヤ? それともボタン? 驚いて追いかけるれおくんですが……。どれになろうとしても、なかなかしっくりこないみたい。

 実は「なぜれんこちゃんは煮物以外になりたいのか」の理由がちゃんとあって、最後まで読むとれんこちゃんが自信を持てなかった理由も、伝わってきます。奇想天外な自分探しですが、子どももきっと共感できる内容です。

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