夫婦の家計管理、どんなふうにしていますか? 「なかなかうまくいかない」という子育て家庭も多いかもしれません。ファイナンシャルプランナーの西原憲一さんに、夫婦の家計管理のコツを聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2024秋号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU 「家計管理そのものができていない」家庭が多い 夫婦の家計管理のタイプは主に3つ! わが家はどれ?

「家計管理そのものができていない」家庭が多い

「家計管理がうまくいかない」という悩み以前に、ほとんどの家庭は「家計管理そのものができていない」という状況です。家計簿をつけている人はほとんどいなくて、毎月の収支が赤字にならず預貯金口座に少しお金が残っていればそれでOKという程度のなりゆきまかせの状態の人がとても多い。それなのに、「思ったほど貯金が増えない」「将来が漠然と不安だ」「物価が上がっているけれど、うちの家計は大丈夫なんだろうか」などといった悩みが寄せられます。これらは何らかの記録や計算に基づいたものではなく、漠然とした感覚的な悩みです。

 感覚的に家計を捉えていると、急な病気や引っ越しなどのイレギュラーな出費や、3大資金といわれる教育費、住宅資金、老後資金といったライフイベントに備えるお金を計画的にためることができません。それでも独身のときなら、なんとかなったのかもしれませんが、結婚して家族ができると、ある程度の記録をつけて、その数字に基づいた根拠のある家計管理をしていかないと対処ができなくなります。

 家計管理は目的ではなく、あくまでも手段です。目的は、家族のライフイベントを実現させること。将来のライフイベントのためにいくらためておく必要があるのかを把握して、計画的に貯蓄を続けていくためには、どんな家計管理の方法がわが家に向いているのか考えていきましょう。

夫婦の家計管理のタイプは主に3つ! わが家はどれ?

 夫婦で家計管理をする場合、さまざまな方法があります。代表的な3タイプをあげてみましょう。

あなたの家の“家計管理”はどのタイプ?『AERA with Kids2024年秋号』から

 タイプ1は、夫婦で費目別に支払いを分担する方法。だいたい片方が固定費を、もう一方が変動費と貯蓄を担当するなどの方法で実行します。メリットは、それぞれが支払う費目がはっきりしているので、ムダ遣いが見えやすく減らしやすくなる結果、計画的な貯蓄がしやすくなる点です。担当する費目の枠の中でやりくりすればいいので、ストレスもたまりにくい。デメリットは、想定外の支出が発生したときにどのように支払うのか、予算の変更が必要になったときにどうするのかといった点です。費目別に役割分担しているとはいえ、家計全体のことについては夫婦でコミュニケーションを取りながら進めていくことが大切です。

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生島典子
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