非認知能力とは数値化されていない力のこと。コミュニケーション力や協調性、目標に向かって頑張る力、困難からしなやかに立ち上がる力などをいいます。「生きていく力」といってもいいかもしれません。

大人がつまらない「評価のまなざし」を持ち込まない

 以前、あるフリースクール主催の講演に行ったときのことです。小学生の男の子が鯛をさばいてお刺身にして出してくれました。その見事だったこと! 彼は一人、YouTubeで魚のさばき方を学んだそうです。

 どんな子も「知りたい」「わかりたい」と思ったことには時間を忘れて集中し、学んでいくようになります。大人がつまらない「評価のまなざし」を持ち込まなければ、いきいきと遊び・学び、探求します。逆にいえば、良くしようという大人のアドバイスが、子どものやる気を奪うのです。子どもの好奇心の芽をつまないように心がけましょう。

 子どもは「こんな自分で大丈夫」と思えたら、自然と意欲がわいて歩き出します。親が子どもをどこまで信じられるかにかかっているのです。

「なぜ学校に行けないの?」と聞いても、子どもが「わからない」と言うのはなぜ? 不登校で“原因探し”より大切なこと
マンガでわかる! 学校に行かない子どもが見ている世界

西野 博之,來來珈琲店

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西野博之
西野博之

1960年、東京都生まれ。認定NPO法人フリースペースたまりば理事長。川崎市子ども夢パーク、フリースペースえん。川崎若者就労・生活自立支援センター「ブリュッケ」など、各事業の総合アドバイザー。精神保健福祉士、神奈川大学非常勤講師。86年より学校に行かない子どもや高校中退した若者の居場所づくりを行う。

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