最近の中学入試の国語の問題では、「考える力」をキーワードに、グラフなどの資料から考えさせる問題や、知識の丸暗記では解けない問題が増えてきているそうです。声の教育社の猪狩斉大さんに解説してもらいます。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年10月号』(朝日新聞出版)からお届けします。
【問題】中学入試で出題された“ことわざの難問”と答えはこちら(2枚)グラフなどの読み取りから「考える力」を問う
最近の中学入試の国語の問題の傾向の一つは、「考える力」をさまざまな形で問う問題が増えていることです。
例えば、説明文や物語文をもとに、筆者の主張や登場人物の気持ちを読み取ったり、自分の考えを述べたりする問題のほか、グラフなどの資料が示されて、そこから読み取れることを考えさせる問題などをよく見かけるようになりました。これは、重要な情報を選り分け、整理する力も同時に試しているといえます。
知識の丸暗記では解けない
知識問題などでも、さまざまな形で「考える力」が必要な問題が見られるようになっています。例えば、湘南白百合学園中学校の国語では、さまざまな国のことわざの日本語訳が六つ示され、それぞれが日本のどのことわざの意味に近いかを選ばせる問題が出されました。こうした問題を解くには、ことわざをただ丸暗記するだけでなく、その意味をしっかりと理解しておくことや、初めて見る海外のことわざからその意味を推測し、比較する力が必要です。
また、漢字では、「十干十二支」や「ご進物」、「海を望む」と「海に臨む」の区別など、漢字自体は小学校で習うものの、意味や読みが難しいものが見受けられます。日常生活のさまざまな場面で言葉に接し、読み方や意味がわからなかったらすぐに辞典などで調べて確認する習慣をつけましょう。
24年度に出題された問題を解いてみよう!
次のページへ正解はこちら
著者 開く閉じる