でも最近は、子育ての大変さを理解してくれる人は夫じゃなくてもいい、と思っています。子育ては家族で取り組むこと、夫婦間で分かり合うべきことだと以前は考えていましたが、実はそうでもないんじゃないかな、って。
私の仕事も患者様の気持ちを理解し、共感するところから始まります。以前は「家族ではない自分が共感しても、患者様にとっては救いにならないんじゃないか」と考えたこともありましたが、漫画を描き、たくさんの方から共感を得られたことで、家族以外の人間であっても、気持ちをわかってくれる人がいることが重要だと思うようになりました。
育児ネタよりバズる夫ネタ
――ご主人に関するエピソードは、読者からの反響も大きいですか?
子育てより、夫に関するネタへの反響の方が大きいですね。例えば、空き缶を捨てずにシンクの横に並べておくとか、帰宅時間の伝え方があいまいだ、とか。「9時過ぎに帰る」って言うけど、「9時過ぎって、一体何時や!?」というね(笑)。夫に対する「離婚を切り出すほどではない小さなイライラ」は、多くの方が感じているんでしょう。子育てのイライラは、最終的には「子どもだから仕方ないよね」と受け流せますが、夫へのイライラはそれができないから、たまる一方なんです。
――自分自身のエピソードが描かれたマンガを読んで、ご主人は何とおっしゃっていますか?
特に反省もせず「俺、面白いな。これからもネタ提供のために頑張るわ!」って言ってます(笑)。まぁ夫がそういう感じだからこそ、気兼ねなく漫画に描けるんですけどね。
「読者を笑わせたい」から、日々の出来事を乗り越えられる
――忙しい毎日の中、ネタはどうやって集めているのでしょうか?
日々の生活の中で「これ!」と思ったときは、必ずスマホにメモを取るようにしています。例えば、先ほど話したオムツ外しのエピソードならば「オムツ、自分ではずして床大惨事」みたいな感じです(笑)。
今は娘たちも小3、小5とだいぶ大きくなりましたが、それでも毎日「こんなことするか!?」っていうようなことがたくさんあって、ネタ帳が追いつかないくらい。でも今は「この出来事を漫画にして誰かに笑ってもらおう」という思いで、いろいろなことを乗り越えている気がします。読者の方が私のエピソードと自分の体験を重ねて「これって、はたから見たら笑えるような出来事なんだな」と思い、笑ってくれたらうれしいです。
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