木下昌子そうしたら同僚が「これ、すごく面白いから、インスタに上げてみたら？」と言ってくれて。「こんなもの、インスタに出していいのかな？」という気持ちもありましたが、「子育てをつらいと感じたりイライラしたりするのは当たり前だっていうことを、全国のお母さんに知らせてあげてほしい」と言われて、投稿を始めました。
子育てで自信喪失 「心理学を勉強した私がなぜ？」
――投稿後の反響はどうでしたか？
多くの方が共感してくださいました。職業柄、身の回りで起きたことやそれに対する心の変化を拾うのは得意なので、子育て中の小さなイライラも逐一キャッチして投稿したところ「口に出して言うほどじゃないけど、これって確かにイラつくよね」と感じてくださった方が多かったようです。
――白目さんや同僚の方のような心理学の「プロ」でもイライラするくらい、子育ては大変ということですね。
私の場合、むしろ「自分は大丈夫」と思っていた分、その自信が見事に打ち砕かれたときは、すごくつらかったですね。子どもの発達や心理学についてもたくさん勉強してきた私がどうして？と。同僚もきっと同じような気持ちだったんじゃないかと思います。
読者の共感でワンオペ育児の孤独感が減った
――インスタの投稿を始めてから、ご自身の子育てや心境に変化はありましたか？
みなさんから共感してもらえたことで、私自身、すごく励まされました。子どもたちが小さい頃は夫の仕事が忙しく、育児はほぼワンオペでしたし、子育ての大変さに共感してくれることもなかったので、「誰かが私の気持ちをわかってくれた」ということだけで、孤独感が減ったと思います。
――作中にも、よくご主人は登場していますね。白目さんのお家もそうですが、夫婦仲が悪いわけではないのに、子育てに対する思いや大変さを共有できないという話は、よく耳にします。
同じように毎日子どもたちを見ているのに、なぜ同じ気持ちであれないの？なぜこの状況を大変だと思えないの？っていうのは、ありますね。
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