子どもが動画にハマってしまい、本をまったく読まなくなってしまった……。読書離れした子が再び本を読むためにはどうすればいいの? 本を読んでほしいけれどなかなか定着しないというご家庭に、子どもが読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を立ち上げた笹沼颯太さんが、子どもを本好きにする方法をアドバイス。本を読みたくなる「空気づくり」、毎日のちょっとした工夫でできます!

MENU 動画から読書へのシフトがうまくいかない「ふたつのNG」 子どもは「楽しい」が正義なのです

動画から読書へのシフトがうまくいかない「ふたつのNG」

――以前の連載で「本との距離を近くすること」、「本のハードルを低く設定すること」というアドバイスを聞きました。

 動画を見るようになって、もともと本を読んでいた子どもがまったく本を読まなくなってしまった、あるいは本を読んでいなかった子どもがいよいよ本から遠ざかってしまった……。ヨンデミーにも、動画と読書のお悩みは本当に多く寄せられます。

 なんとか本を読んでほしい一心から、ついやってしまいがちなことがふたつあります。

1)動画を禁止する

 動画を見ることを禁止したからといって、そのまま素直に読書にシフトする例はほとんど見かけません。毎日動画を見ているなら、「習慣」を変えることになります。むしろ反発が強くなってしまうことも考えられます。

2)本を読ませる

 「読みなさい」といって本を渡されても、それは自分が「読みたい」と思って本を手に取ることとはちがうので、なにより楽しくありません。楽しくないことは、やりたくありませんよね。ちなみに「読みなさい」まではいかなくても、「本を読まないの?」という声かけもよく聞きます。こちらも、ソフトではありますが、ほぼ「読みなさい」につながりますよね。

 ヨンデミーでは、子どもが本を手にするまでのはじめの一週間は、本を「読まなくてもいい」としています。本について家族で話したり、テーブルに置いてある本をちらっと見たり。それだけでも本のことを意識していることになるのですから。

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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