世界経済フォーラム(WEF)が発表する、国別の男女平等度をランク付けする2024年版「ジェンダーギャップ報告書」によると、日本は146カ国のうち118位でした。なぜこれほど順位が低いのでしょうか? 改善するために必要なこととは? 小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年9月号』(朝日新聞出版)からお届けします。
【図】男女平等ランキング、15年連続1位の国は?トップ10はこちら日本は政治・経済の分野で男女格差が大きい
2024年版「ジェンダーギャップ報告書」の男女平等ランキングで、日本は146カ国中118位でした。前年の125位からは上がりましたが、主要7カ国(G7)中では最下位です。
ランキングは、政治、経済、教育、健康の4分野を対象にしています。男女が完全に平等な状態を100%とした場合のそれぞれの達成率を出して総合するというやり方です。世界全体の達成率は68・5%ですが、日本は66・3%でした。世界の中の順位を見ると、健康は58位、教育は72位ですが、政治は113位、経済は120位と低く、この2分野が全体の足を引っ張る形になっています。
日本政府も男女格差を縮めようと女性活躍推進法(16年施行)をつくるなどして後押ししています。そうしたこともあり、企業における女性の役員や管理職が増えていたり、地方議会などで女性議員が増えていたりしますが、増え方のスピードが遅いため、世界の中の順位はまだ低いままです。
特に政治の分野、なかでも国会議員、特に衆議院議員の女性比率が約10%と低いことが最大の問題です。会派別では政権与党の自民党・無所属の会の女性比率が258人中22人と、低さが目立ちます。
衆議院議員は原則1選挙区から1人が当選する小選挙区制で選ばれます。女性議員を増やすには、多くの地域で立候補者を現職の男性から新人の女性に代える必要がありますが、自民党はここ10年以上選挙で勝ち続けていますので、あえて交代させにくいという事情があります。
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