それでも受験を乗り切れたのは、家族のチームワークがあったから。夫婦で「今は子どもの受験が最優先」という方針を共有し、協力できたことは大きかったと思います。例えば、勉強を教えるときは「子どもとケンカしたら交代」がルール。交代した途端、夫と息子がケンカになって、「え、もう私と交代?」なんていうこともありましたけど、結果、無事志望校に合格できましたし、家族の絆も強まった気がします。
――乗り越えたことで得られたものも大きかった、ということですね。
そうですね。受験勉強は、季節の行事や日本の文化を親子で学ぶきっかけにもなりました。今でも長男が「子どもの日は、かしわ餅を食べるんだよね」なんて言うのを聞くと、あのとき勉強したことを覚えていてくれるんだ、とうれしく感じます。
そしてもう一つ、バスケットボールという家族共通の趣味が持てたのも、受験がきっかけでした。子どもの教育について夫といろいろ話し合ったとき、2人の意見が一致したのが「好きなことを軸にして、そこからいろいろなことへの興味を広げていくようにしよう」ということ。長男はバスケが好きだったので、それからは家族で試合を見に行くようになりました。実は夫も私も学生時代はバスケ部なんですよ。今ではテレビで試合を観戦するとき全員でユニフォームを着て、応援しています。
(構成/木下昌子)
※後編<安田美沙子、息子に「ママのご飯より給食がおいしい」と言われても「うれしかった」理由とは>へ続く
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