スマートフォンやゲーム機など、身近な電子機器に使われる「半導体」。かつては世界一だった日本の半導体産業が最近、復活へ向けて動き出しています。そもそも「半導体」とは何なのでしょうか。復活に向けてどんな動きがあるのでしょうか。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年7月号』(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU かつては日本が世界一だったけれど…… 政府が補助金を出し、台湾の工場を熊本に建設

かつては日本が世界一だったけれど……

 半導体って知っていますか?  ゲーム機やスマホ、パソコンやテレビ、自動車にも使われていて、電気を使って動く製品の性能を決める、とても重要な電子部品です。

 日本は1980年代、半導体づくりで世界シェアの50%を握っていました。しかし、90年代以降、アメリカの「インテル」や、韓国の「サムスン電子」、台湾の「台湾積体電路製造(TSMC)」などが台頭して、日本は次第に追いつめられ、いまや日本の世界シェアは10%にも満たないほど落ち込んでいます。

 しかし、アメリカと中国の対立をきっかけに、日本の半導体産業が持ち直す動きが現れています。最先端の半導体の90%は台湾でつくられます。もし中国が台湾を脅かし、最先端の半導体が世界に出荷できなくなったら、世界中の会社が困ってしまいます。そこでアメリカは、台湾のTSMCに1兆円を補助するかわりに、アメリカ国内に工場を建てるよう頼みました。ドイツも補助金を出してTSMCの工場をドイツ国内につくろうとしています。

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ジュニアエラ編集部
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