外遊びが多くなると頻発しやすい虫刺され。長袖・長ズボンで防げても、暑さが厳しいとそうもいかないもの。池袋西口ふくろう皮膚科クリニック院長の藤本智子さんに虫刺されに関する素朴な疑問や刺されたあとの対処法について聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2024夏号」(朝日新聞出版)よりご紹介します。

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低年齢ほど刺された後の反応が大きくなりやすい

 子どもが蚊などの虫に刺されると、大人と比べて驚くくらいはれて、症状も長引く傾向があります。なぜ子どもは悪化しやすいのでしょうか。

「蚊に刺された部分がかゆくなったり、はれたりするのは、蚊の体液に対するアレルギー反応です」と藤本医師。

 花粉症の舌下免疫療法は、花粉のエキスを長期にわたって少しずつ体内に取り込むことで花粉そのものに体を慣らしていく治療ですが、蚊によるアレルギー反応もその仕組みと同じ。中年以降になると症状が和らいでいき、高齢になると反応が出にくくなっていく人が多いそう。

 つまり子どものうちは、蚊に刺されることに慣れていないため、反応が大きく出やすいというわけです。

 虫刺されを防ぐには、虫よけ剤を使うことや肌の露出を控えることが原則ですが、刺されてしまった場合に悪化させないためにはどうすればいいでしょうか。

「アレルギー反応のピークが来る前に、できるだけ早く炎症を抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬を塗るのが鉄則です」

子どもの虫刺されQ&A

Q1 子どものほうが大人よりはれるのはどうして?

 蚊は人の血を吸ったときに、体液を皮膚に注入します。刺されたあとにはれるのは、この体液に対するアレルギー反応。蚊の体液に体が慣れてくると、次第に反応も鈍くなっていきます。蚊に刺されることに慣れていない子どものうちは、大人よりもはれやすく、症状も長引きやすいのです。

Q2 虫に刺されたあとすぐにするべき対処法は?

 刺されてから24~48時間後にアレルギー反応のピークがきます。その前にステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬を塗ることで、ピークを抑えることができます。蚊の場合、刺されやすい体質、刺されにくい体質というのがあります。毎年蚊に刺されてはれてしまうという子どもは、外用薬を常備しておくといいでしょう。

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中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

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