「埼玉が増えた原因の一つは、入試日程です。東京と神奈川は2月3日と決まっていますが、埼玉は決まっておらず、1月の2週目の土日に実施されます。今年はそれが1月13、14日にあたり、私立中学の解禁日である10日とずれたため、併願する生徒が多かったと思われます。来年は1月11、12日にあたるため、私立・国立中第一志望で、公立中高一貫校を併願する志願者が減りそうです」(同)

  埼玉は県立伊奈学園中学校を除く3校は、男女別枠で募集している。来年度は東京が撤廃するので、男女別枠は埼玉の3校のみとなる。

データ/各自治体発表資料から

私立との併願受験が増えている

 全体的に志願者数は減り競争は落ちついているものの、易しくなったわけではないという。

「私立の平均倍率が2倍から3倍ですから、4~6倍の公立中高一貫校はやはりまだ高い。東葛飾やさいたま市立浦和中学校のように9倍の学校もあり、人気がなくなったわけではありません。志願者が減っているのは、おためしで受けても合格が難しいことが浸透し、準備を積んできた受検者層だけが受けるようになったからだと思われます。受検者全体のレベルは上がっています」

 公立中高一貫校の志願者が減る一方で、私立と併願する受検生は増えているという。

「塾に通っている公立中高一貫校を受検する生徒は、8~9割が私立を併願しているようです。公立中高一貫校は検査日が1日だけですから、本番に慣れるためにも適性検査型の入試を行っている私立を腕試しとして受けているようです」

 また、難関の公立中高一貫校では、私立を第一志望とする生徒が併願しているケースも多い。当日の欠席者や、合格しても手続きをしない離脱者を見ればその傾向がわかる。たとえば都立小石川中等教育学校は検査当日の欠席者が68人、離脱者が87人で東京最多。私立に合格したため、適性検査を受けなかったことがうかがえる。

 近年、公立中高一貫校を受検するほとんどの生徒が塾で対策をしている。

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