その寄付についても、ピアノや机などの備品を学校に寄贈しているところ、カーテンのクリーニング代のようなサービス業者に支払っているところ、PTAから現金を渡しているところ……。これまたさまざまですが、前述のアンケート調査では、寄付金の使い道としてたくさんの回答が集まりました(表を参照)。
草刈り機? 修学旅行の下見の交通費?? 通知表のファイル代???と、頭の中が「?」でいっぱいになってきますが、「例えば草刈り機でいうと、雑草をどうするかという問題は、敷地が広い学校ではとても切実な困りごとだったりするんです。ただし、だからといってPTAがお金を出すべきなのかというと、それはまた別の話。慣習的に、子どものことは親が出すものという空気がどこかにあるからでしょうが、鶏が先か卵が先かではないですが、一方の学校側も、PTAのお金を頼りにしているところがあるように思います」(大塚さん)。
学校への寄付のほかに100周年、150周年といった「周年行事」の開催に向けて積み立てをしているPTAも少なくないそうですが、それらが会員の合意によるものであればともかく、とくに問題なのは「支払っているのかわからない」「いつの間にか支払っていた」というようなケースです。
「本来、寄付というものは自発的に行われるものですが、PTAの場合は新年度になると自動的に会費を徴収される仕組みになっていて、それが寄付に回っているケースも少なくありません」と大塚さん。名古屋市の371の小中学校が、PTAから5年間で総額2億円近い寄付を受け取っていたことがテレビ局の取材をきっかけに発覚してニュースになっていますが、“会費”ということは会員になるという手続きが必要であり、寄付も、会員の合意のもとで行われるべきことなのです。
まずは疑問を解消することから
会員になる手続きはさておき、PTA会費はいくらくらいが妥当なのでしょうか。
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