「高槻は難関校のなかで、探究活動、グローバル教育など先進的な取り組みを行っており、その取り組みが保護者に支持されています」

 上位校では、大谷(大阪市)が96人減の780人、夙川(神戸市)が101人減の713人、須磨学園(神戸市)が92人減の933人など減少傾向がみられた。中堅校では、追手門学院大手前(大阪市)が104人増の458人、上宮学園(大阪市)が66人増の554人、履正社(豊中市)が93人増の392人などと増加した。

明暗分かれた大学付属

 付属校では、1年おきに志願者が増減するいわゆる「隔年現象」があらわれた。同志社大の系列校は、23年に前年から志願者を減らしたが、24年は増えた。同志社(京都市)は534人で前年比77人増、同志社香里(寝屋川市)も1360人で83人増加した。

「同志社はここ数年志願者数が減って入りやすくなっていました。そこでのお得感と、昨年からの2教科入試で受けやすくなったことから、人気が回復しました」

 一方、23年は前年比で大幅に志願者を増やしていた関西大学系は、関西第一(吹田市)が58人減の458人、関西大学中等部(高槻市)が140人減の431人など反動で大幅減となった。一方、立命館大学や立命館アジア太平洋大学(APU)と教育提携などを行う「立命館コース」を併設している初芝立命館(堺市)は、今年度は660人から1205人と、大きく伸ばした。

高校無償化の所得制限撤廃が遠因に

 日能研関西のデータによると、一人当たりの平均出願校数は3.6校から3.7校と増加している。入試の日程も前年より前倒しになっており、入試解禁日の1月13日と14日の2日間で、全体の70%の入試が行われた。

「受験者の動向を見てみると、特に男子は第1志望を強気に狙い、併願校を多めにして確実に合格を取りにいく傾向が見られます」

 受験率が上がった要因のひとつとして、森永さんは高校授業料無償化の影響をあげる。大阪市は24年度から段階的に、親の所得に制限を設けない完全無償化を実施しており、26年度からは全学年で実現する。

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