2024年、関西地区では小学6年生の人口が減少したものの、中学受験者数は微増。その分受験率が上昇し、過去3番目を記録しました。男子難関校や中堅校も志願者を増やし、中学受験層の広がりを感じさせます。24年の関西の中学受験結果を振り返ります。
【ランキング】早稲田大・慶應大への「合格率」が高い首都圏の中高一貫校は?私学の教育への期待高まる
関西2府4県(兵庫、大阪、京都、奈良、滋賀、和歌山)の24年入試は、小6人口が前年よりも2300人以上減少したものの、受験者数は33人の微増。受験率は23年に続き10%を超え、過去3番目の高さになった。その理由を、日能研関西(神戸市)営業本部長の森永直樹さんはこう話す。
「私学に通わせたらわが子が将来社会に出るとき必要な力をつけてくれるだろうという、保護者の期待の表れではないでしょうか。大学入試も総合型選抜や学校推薦型選抜で入学する割合が増えており、高校生活の内容が問われます。学習面だけでなく探究活動や行事、クラブ活動などでも、やはり私立が充実していると保護者が感じているのでしょう」
志願者数の増減の全体傾向を見ると、難関校は前年並み、上位校が減少、中堅以下の学校が増加、という傾向がみられたという。森永さんによると、3年間かけて受験の準備をしなくても合格できるような、“ライトな中学入試”を選択する受験生が増えているという。
「今まで併願校として人気だった学校が、第1志望に選ばれているケースもあります。偏差値だけでなく、教育の中身で選ぶ傾向が強まっており、中学受験の広がりを感じさせます」(森永さん、以下同)
まずは難関校の24年入試の結果からみてみよう。男子難関校では、23年に続き、強気の受験が目立った。
「23年は難関校の男子の志願者がその前年に比べて大幅に増えましたが、今年も減少せず、微増ながら2年連続で増えています」
灘(神戸市)の志願者は747人で前年比2人増、東大寺学園(奈良市)は970人で3人増。甲陽学院(西宮市)も394人で13人増加した。注目は高槻(高槻市)の男子だ。あまり志願者数に動きがなかった23年の反動もあり、24年は427人と前年比75人増加した。
次のページへ志願者が増えている大学付属校は?