こんにちは。AERA with Kids+ エディターのたかねです。春は新しい生活が始まる季節。新生活、進級、入学等々、華やかな特集が紙面に組まれて書店がパッと明るくなるので、ウキウキします。 ついつい近くの書店に立ち寄ってはいろんなコーナーを巡って長居してしまう私です。新刊や平積みされている本についつい目が行きがちですが……。
最近娘がハマって3巻全巻読破したのは、なんと約200年も前に書かれた、誰もが知る名作を原作とする小説でした。
その本が本日ご紹介する「南総里見八犬伝」です。
お恥ずかしながら、本好きと豪語するわりには読んだことがなかった「八犬伝」。
同じように、「タイトルは聞いたことがあるけれど読んだことはない」という方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず。曲亭馬琴によって書かれたこの作品は、刊行スタートから完結までに28年。最終的には全98巻、106冊という長編小説となっているそう。
なんとなく「超」長編小説ということがネックとなり、手に取れなかった「八犬伝」でしたが、きっかけは娘と楽しんで見ていた朝ドラでした。
朝ドラのヒロインが夢中で読んでいたのがまさに「南総里見八犬伝」。ドラマの中に何度も登場し、その度にヒロインが絶賛していたのです。
「これは読むしかないよね」と、娘と1巻を購入。
読み始め10ページで「最初から面白い!」と娘が大絶賛し、競い合うように一気に読み進め、全3巻を読み切るまでに1週間もかからなかったと思います。
どうして今まで読まなかったんだろう……。面白すぎる!
そこには時代を超えて楽しめる普遍的なストーリー展開がありました。
「伏姫(ふせひめ)」という悲劇のお姫様がいたり、「村雨丸(むらさめまる)」という妖刀が出てきたり、ファンタジーの要素が強いにもかかわらず、実在する地名が出てくるところも物語に入り込んでしまう理由の一つかなと思います。
ストーリーとはまた別に随所に散りばめられた、とことん「犬」にこだわった登場人物の名前も楽しめます。
「南総里見八犬伝」にはさまざまな種類がありますが、わが家は小学生の娘と読みたかったので、現代語で書かれており、全3巻とコンパクトにまとまっている青い鳥文庫を選びました。
冒険をしながら仲間と出会い、悪を懲らしめていく痛快なストーリーに小学生はもちろん、大人も夢中になること間違いなしです。
(私はいつか原文でも読んでみたいなぁ……。)
「面白そう!」と思った方は、少しまとまった時間が取れる春休みに、チャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
(文/たかね)