また、HSCの子どもはつねに「ちゃんとやろう」という気持ちを持っています。ですから、「がんばって」といった言葉かけは逆にプレッシャーに感じることがあります。本人の努力やプロセスを見守り、できた・できないにかかわらず「よくがんばったね」といったフィードバックがいいでしょう。

 対人関係でも、感じやすく傷つきやすい傾向があります。もし嫌な気持ちを抱えている様子が見られたら、「悲しくなっちゃったの?」とその気持ちを受け止めてあげましょう。そして一緒に状況を分析しながら、相手の子どもの気持ちを淡々と「説明」してあげると理解しやすいのです。

 また、家庭では「パーソナルスペース」を用意してあげましょう。日ごろ、5分でもかまわないので、ひとりになる時間を作ってあげると気持ちを落ち着けることができます。できるだけ、周囲の刺激を遮断するような工夫を心がけるといいですね。

 学年が上がってくると、子ども自身が自分の特徴を理解して、慣れてきたり困らなくなってきたりすることはじゅうぶんにあります。子どもがとくに不快に感じる刺激やイライラしがちな環境を共有して、親子で対策を話し合っておくのもおすすめです。

(構成/三宅智佳)

芳川玲子先生
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三宅智佳
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