わが家にはこの春、小学1年生になる次男がいます。家ではお茶目でお笑い担当の次男ですが、外では間違えることや、失敗をものすごく気にする性格。年中のころまでは、忘れ物をしたらかばんに頭を突っ込んで「ない、ない…」としくしく泣いたり、先生にトイレに行きたいと言えず、間に合わなかったり……。
そんな次男も年長になると少しずつ自信がついてきて、困ったことは先生に言えるようになってきました。
小学校というまったく新しい環境で、わからないことがあったときに先生やお友達に助けを求められるだろうか。頭の半分では「大丈夫、なんとかなる!」と思いながらも、やはり心配もあります。
そんなときに友人に紹介してもらったのがこの『教室はまちがうところだ』という絵本です。
この表紙、とても素敵だと思いませんか? 先生があたたかい表情で子どもたちをどっしりと包んでくれて、なんとも安心感があります。
絵本の中には『まちがいだらけのぼくらの教室 おそれちゃいけない わらっちゃいけない 安心して手をあげろ 安心してまちがえや』とあり、最後に『そんな教室作ろうやあ』と、みんなでクラスを一緒に作ろうと呼びかけられています。
はじめてこの本を読んだとき、なぜだかぶわっと涙があふれてきました。
思い返せば私も小学1年生のとき、間違えることが怖くて、どうしても授業中に手を挙げることができなかったのです。
ついに先生に「あきこさん、言ってごらん」とあてられてしまい、小さな声で問題の答えを言いました。
あのときのほっとした気持ち、少し誇らしい気持ち、でもやっぱりやりたくなかったなという気持ち……。今でも鮮明に覚えています。そんな幼い私があのときかけてほしかった言葉は、まさに「安心してまちがえや」という言葉だったのかもしれません。
次男もきっと、そんな経験をするだろうと思います。でもこの絵本にあるとおり、間違えたって大丈夫。上手にできなくっても大丈夫。先生やお友達が見守ってくれる。そんなことが絵本を通して、次男に伝わっていたらいいなと思います。
とても勇気づけられる、お守りのようなこの絵本。これから入学される方や、お子さんが繊細かもという方はぜひ親子で一緒に読んでみてくださいね。
(文/梶木あきこ)