その際、因果関係がより明確になるように、声に出して説明してあげることが大切です。

 たとえば、赤ちゃんがおもちゃを地面に投げて、結果、おもちゃが壊れたとします。

 そのとき、叱るのではなく、「悲しいね、おもちゃが壊れたね」とあなたの悲しみを表現しましょう。

「おもちゃが壊れて、お母さんが悲しんだ」と赤ちゃんは原因と結果を知ることになります。そして、「どうしましょう?」と赤ちゃんと相談してみましょう。

 直せない場合は、さらに悲しんで、「これからはやらないでね」と繰り返し言ってみてください。

 ここで大事なのは、自分の行動によって、大変なことが起きたことを赤ちゃんに認識してもらうことです。

 自分の行動の因果関係を覚えさせるのです。

 たとえば、赤ちゃんが誰かをぶったとき、お母さんが何もしないと、赤ちゃんはその行動が正しいかどうかわかりません。

 でも、そのときにお母さんがそばに行って、「人をぶってはいけないよ」と悲しんだ顔をすると、赤ちゃんは自分の行動がお母さんに大変な悲しみを与えていることを認識します。

 自分の行動が他人を傷つける原因になったということを感じることができるのです。

 逆に、赤ちゃんが良いことをしたときは、いっぱいほめてあげてください。

 たとえば、赤ちゃんが自分の食べ物をあなたに分けてくれたときは、喜びを大げさに表現して赤ちゃんに感謝しましょう。

 赤ちゃんはその行為(=原因)は喜ばれる(=結果)ということを認識するのです。

 遊びを通しても、因果関係を教えることができます。

 その中の一つは積み木です。息子たちはよく積み木を使って遊びました。

 高く積みすぎると、積み木は崩れて落ちてしまいます。ここではどうすれば崩れずに高く積み上げられるかを考えさせるのです。

 積み木は、自分の行動がどのような結果を生み出すのかを教える最高の遊びです。

スタンフォード大学に3人の息子を入れた 賢い頭としなやかな心が育つ 0歳教育

アグネス・チャン

スタンフォード大学に3人の息子を入れた 賢い頭としなやかな心が育つ 0歳教育
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江口祐子
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