子どもとお友だちがケンカしてしまったとき、子どもの言い分がうたがわしいな~と思うときありますよね。「相手のお子さんに謝らなきゃ」「ケガはなかったかな」と焦る気持ちもあって、わが子の話をちゃんと聞けないことも。こんなとき「まず最初にこう言おう」と、あらかじめ決めておくとよいのかもしれません。幸せな子育てを研究する、前野マドカさんの著書『最新の「幸せの研究」でわかった しなやかで強い子になる4つの心の育て方』(あさ出版)より一部を抜粋して紹介します。

MENU 「親である自分が信じてあげる」ことこそが最も大切 期待されたとおりに子は育つ!? 父母どちらかが信じる役割を担うでもOK

「親である自分が信じてあげる」ことこそが最も大切

「信じる」というのはとても難しいことです。

 たとえばお子さんがけんかをしてきて、「僕が先に手を出したんじゃないよ」と言ったとしましょう。でも見ていた人が「あなたの子どもが先に手を出しましたよ」と言っていたら、我が子を信じ抜くことができるでしょうか。「相手のお子さんに謝らなければいけない」とかいろいろな気持ちが浮かんできて、「あなたが手を出したって言われたわよ」と言ってしまいそうになるかもしれません。

 でも、そんなときはまずミラーリング(※)です。「僕が先に手を出したんじゃない」と言ったら、「あなたが先に手を出したんじゃないのね」と繰り返す。もし心にやましいことがあったなら、自分から言ってくれると信じて、そのときを待ちましょう。

 親が信じなければ、誰がその子を信じてあげられるでしょうか。我が子をとことん信じる」にぜひチャレンジしてください。

期待されたとおりに子は育つ!?

「ピグマリオン効果」をご存知でしょうか。

 アメリカの心理学者が1964年に行った実験で、人間は期待されたとおりに成果を出す傾向があるということを表したものです。

 実験内容は、一部の子どものみ「成長できる生徒」として選んで、担当の先生に示すというもの。ただし、「成長できる生徒」とされたのはランダムに選ばれたにすぎず、学力に差はなかったのですが、8か月後に学力をはかるテストを行ったところ、「成長できる生徒」と選ばれた子どもの知能が大きく伸びる結果となったのです。つまり担当教師がこの子は学力が向上すると信じ期待したために、そのとおりの結果が出た、とするものです。

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前野マドカ
前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属SDM研究所研究員。著書に『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』共著(WAVE出版)、『ニコイチ幸福学 研究者夫妻がきわめた最善のパートナーシップ学』共著(CCCメディアハウス)、『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)など。幸せを広めるワークショップなどを行っている。

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