「生きづらさをやわらげるため」 相反する気持ちが共存

 家族、友達との間で抱える苦痛から逃げる方法がこれしかない。友達とつながる方法がほかにない。こうした理由でODをやめられない子どももいる。

「さまざまな生きづらさを緩和する『自己治療』としてODをしている人が多いように思う」と国立精神・神経医療研究センターの嶋根卓也・心理社会研究室長は指摘する。「彼らの中には『ODしたい』という気持ちと、『このままではいけない』『本当はやめたい』と相反する気持ちが共存している」

 厚労省はODの増加を受け、一部の市販薬の販売方法を厳しくする方向で検討を進めている。だが、まず必要なのは、子どもに向き合う大人が変わることだ。また、悩んでいる子どもには、相談できる人を見つけてほしい。厚労省のウェブサイト「まもろうよ  こころ」では、子ども向けのさまざまな相談先を紹介している。

(解説・阿部彰芳/朝日新聞くらし報道部)

 

「ジュニアエラ3月号」(朝日新聞出版)より抜粋

ジュニアエラ 2024年 3月号 [雑誌]

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阿部彰芳
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